机につっぷして、左を向いて腕に顔をおく
開かれた窓
端まで引かれたカーテンから見える外は長細かった
そよりと揺れるカーテンの向こう側には、
未だに緑の葉をつけている木と、その隙間から覗く灰色の空と古びた校舎
ゆっくりとカーテンが持ち上がる
教室の騒音に風の鳴く声は聞こえなかった
カーテンはふわりと浮きあがり、緩やかに視界に映る世界を広めた
だけどすぐに外へと追いやられ、世界は閉ざされた
また世界は大きくなった
吹き込んだ空気は思いの他つめたい
また、世界は閉じた
いつか、視界いっぱいの世界をこの眼に映す事が出来るのだろうか
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